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OpenAIのCodexがコーディングツールを超えた——画面操作・90超プラグイン・記憶機能「Chronicle」を一挙解説

GadgetDrop 編集部5
OpenAIのCodexがコーディングツールを超えた——画面操作・90超プラグイン・記憶機能「Chronicle」を一挙解説

OpenAIのコーディングエージェント「Codex」が、開発者向けツールの枠を大きく超えた機能群を相次いで追加しています。画面を直接操作するコンピューターユース機能、90以上のプラグイン連携、そしてユーザーの作業を自律的に記憶する「Chronicle」——XDA Developersが2026年5月3日に報じた内容をもとに、その全容を整理します。

macOSの画面を自分のカーソルで操作する「コンピューターユース」

今回の最大のアップデートは、CodexがmacOS上でGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を直接操作できるようになったことです。ボタンのクリック、テキスト入力、アプリ間のナビゲーションなど、マウスとキーボードで行う操作をCodexが代わりに実行します。重要なのは、Codexがユーザーのカーソルとは独立した専用カーソルを持つ点で、ユーザーが別の作業をしている間もバックグラウンドで並行して動き続けます。複数のエージェントを同時に走らせることも可能です。

OpenAIはこの機能をフロントエンド開発のテストやAPIを持たないツールとの連携に活用できると説明していますが、XDA Developersは「コードとは無関係なスプレッドシートの管理やファイル整理にも応用できる」と指摘しています。OpenAIのSam Altman氏もX(旧Twitter)上で、コーディング以外の用途——たとえばSpotifyで次の曲にスキップする、ドキュメントからスプレッドシートへ情報を移すといった日常的な操作——にも試してみるよう呼びかけています。

ただし、この機能は現時点でmacOSのみ対応で、英国・スイス・欧州経済領域(EEA)では利用できません

また、Codexにはローカルおよび公開ページを開いてコメントや修正指示を行える組み込みブラウザも追加されています。現時点ではローカルと公開ページに限定されていますが、OpenAIは将来的にlocalhostを超えた範囲へ拡張する計画があると述べています。

90以上のプラグインと「自律スケジューリング」

コンピューターユースと同時に、Jira・GitLab・CircleCI・Microsoft Suiteなど90以上の新プラグインが追加されました。AIツールを既存のサービスと接続するという方向性はAI業界全体のトレンドですが、Codexはさらに一歩踏み込んでいます。

注目すべきは、Codexが自分自身でタスクをスケジュールできるようになった点です。将来のタスクを自ら設定し、自動的に起動して数日・数週間にわたって作業を継続することができます。さらに、コードベースやGoogle Docs・Slack・Notionといった接続済みのサービスからコンテキストを読み取り、「次に何をすべきか」をユーザーに提案する機能も備わっています。

これまでは「ユーザーがCodexを開いて指示を出す」という流れでしたが、今後は「Codexが起動してユーザーに指示を提案する」という逆転が起きつつあります。

画面を記憶し続ける「Chronicle」——ChatGPT Proユーザー向けにテスト中

XDA Developersが特に注目しているのが、現在オプトイン形式のリサーチプレビューとしてテスト中の「Chronicle」です。この機能はChatGPT ProサブスクライバーのmacOSユーザーのみが対象で、月額20ドルのPlusプランでは現時点では利用できません。

Chronicleはバックグラウンドで画面を監視し、定期的にスクリーンショットを撮影。その内容をローカルのMarkdownファイルとして構造化された「記憶」に変換します。スクリーンショット自体は6時間後に削除されますが、生成された記憶データは保持されます。次回Codexを使う際には、ユーザーが改めて状況を説明しなくても、Codexはすでに作業の文脈を把握した状態でスタートできます。

OpenAIはこの機能について、「Codexを使い始めるたびにコンテキストを再説明する手間を減らすために設計された」と説明しています。ただし、バックグラウンドで動くサンドボックスエージェントがレート制限を急速に消費するという課題も現時点では存在しています。

常時画面を監視するという性質上、プライバシー面での懸念は避けられません。XDA Developersはこの点については別途詳しく取り上げる予定としており、現時点では詳細な評価は保留されています。


コーディングツールとして出発したCodexが、macOS上のあらゆる操作を代行し、自律的にスケジュールを組み、ユーザーの作業を記憶するワークスペースへと変貌しつつあります。OpenAI自身も公式ブログで「人々が想像できることと実際に作れるものとのギャップを縮める」と表現しており、その方向性は明確です。

コンピューターユース機能を試してみたい場合は、現時点でmacOSが必要な点と、英国・スイス・EEAでは利用できない地域制限を事前に確認しておくことをおすすめします。


Q&A

Q. Chronicleを使うにはどのプランが必要ですか? 現時点では、ChatGPT ProサブスクライバーのmacOSユーザーを対象としたオプトイン形式のリサーチプレビューとしてテスト中です。月額20ドルのPlusプランでは利用できないことが、XDA Developersの記事で明記されています。

Q. コンピューターユース機能はWindowsでも使えますか? 現時点ではmacOSのみ対応です。また、英国・スイス・欧州経済領域(EEA)では利用できません。Windows版への展開については、ソース記事では言及されていません。

Q. Chronicleが撮影したスクリーンショットはどこに保存されますか? スクリーンショット自体は6時間後に削除されます。ただし、そこから生成された「記憶」データはローカルのMarkdownファイルとして保持されます。

出典

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GadgetDrop 編集部

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