これまで「そもそもインストールできない」ことが最大の障壁だったオープンソースのWindows互換OS「ReactOS」が、ついに変わろうとしています。2年以上にわたって開発が続けられてきた新しいATAストレージドライバの導入により、対応ハードウェアが一気に広がる見込みです。XDA Developersが、テックメディアPhoronixの報告を引用するかたちで伝えています。
自分のPCで動く可能性が広がる——2年越しの新ATAドライバ
今回の最大の変更点は、新しいATAストレージドライバの追加です。このドライバにより、ReactOSはSATA・PATA・ATAPI・AHCIといった幅広いストレージデバイス上で起動できるようになる見込みです。
これまでReactOSは一部のストレージドライブでは動作しないという問題を抱えており、実際に試してみたくても環境によってはインストール自体が不可能なケースがありました。現代のPCに広く普及しているSATAやAHCIへの対応が改善されることで、「手元のマシンで試せる」ユーザーが大きく増える可能性があります。今回のドライバは2年以上の開発期間を経てようやく実現したもので、ReactOSの歴史における重要な一歩と言えます。
ダウンロードの手間が半減——LiveCDとインストーラーが1本のISOに
もう一つの重要な改善が、ISOファイルの統合です。これまでReactOSをインストールしようとすると、「LiveCD」と「テキストベースのインストーラー」という2種類のISOが存在しており、用途に応じてどちらをダウンロードするか自分で判断する必要がありました。LiveCDはOSの動作を試すデモ用、テキストベースのインストーラーは実際にシステムへインストールするためのものという使い分けが必要だったのです。
今回のアップデートでこの2つが1つのISOに統合されます。1回ダウンロードするだけでデモとインストールの両方が行えるようになるため、初めてReactOSを試すユーザーにとって入口のハードルが大きく下がります。
GUIインストーラーの基盤も着々と前進中
ReactOSチームはさらに、将来のアップデートに向けてGUIインストーラーの基盤となる実装も進めています。テキストベースのインストーラーに代わるグラフィカルな操作画面が実現すれば、インストール体験はさらに親しみやすくなるでしょう。
ただし、このGUIインストーラーは今回の最新パッチには含まれておらず、今後のリリースで実現することが期待されています。上記の変更点(ATAドライバの追加・ISOの統合)はReactOSバージョン0.4.16で提供される見込みです。
ReactOSはWindowsのAPIやアプリケーションとの互換性を目指して開発されているOSですが、まだ開発途上のプロジェクトです。今回のアップデートにより「そもそもインストールできない」という根本的な障壁が取り除かれる可能性があり、より多くのハードウェアで試せる環境が整いつつあります。気になる方はReactOS公式ウェブサイト(reactos.org)でバージョン0.4.16のリリース情報を確認してみてください。
Q&A
Q. 今回の新ATAドライバで、具体的にどのストレージ規格に対応しますか? XDA Developersの報告によると、SATA・PATA・ATAPI・AHCIの各ストレージデバイスに対応する見込みです。これまでReactOSが動作しなかった一部のハードウェア環境でも起動できるようになる可能性があります。
Q. LiveCDとテキストインストーラーが統合されると、何が変わるのですか? これまでは「デモを試したいだけ」でも「実際にインストールしたい」場合でも、それぞれ別のISOをダウンロードする必要がありました。統合後は1つのISOをダウンロードするだけで両方の用途に対応できます。初めてReactOSを試してみたい方にとって、最初の一歩が踏み出しやすくなります。
Q. GUIインストーラーはいつ使えるようになりますか? GUIインストーラーの基盤となる実装は進んでいますが、今回のパッチには含まれておらず、今後のリリースでの実現が期待されています。具体的な時期は現時点では明らかになっていません。ReactOS公式ウェブサイトで続報を確認することをおすすめします。
Q. バージョン0.4.16のリリース時期はいつですか? XDA Developersの報告では、今回の変更点がバージョン0.4.16で提供される見込みとされていますが、具体的なリリース日は現時点では明らかになっていません。reactos.org で最新情報を確認できます。
出典
- XDA Developers — This open-source Windows clone just got a lot easier to install