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TSMC社員が労組結成・ストライキ検討か——賞与15%削減のうわさと過去最高益の落差、Samsung労組合意が引き金に

GadgetDrop 編集部9
TSMC社員が労組結成・ストライキ検討か——賞与15%削減のうわさと過去最高益の落差、Samsung労組合意が引き金に

Samsungが半導体部門で平均約$340,000(約5,100万円)規模の賞与合意に踏み切った直後、世界最大の半導体ファウンドリーTSMCの社員が、労働組合の結成とストライキを公然と議論し始めていると報じられました。背景には業績連動賞与を約15%削減するといううわさがあり、AI半導体の特需で過去最高益を更新しているにもかかわらず社員への還元が縮むとされる構図が反発を招いています。5月28日に新竹本社で開かれる株主総会を直前に控え、緊張が高まっています。

TSMCはコメントを発表——うわさの出どころと社内反応

DigiTimesは、TSMC社員が労組結成とストライキを検討していると伝えました。発端は、業績連動賞与を約15%カットする社内方針があるというDigiTimes報道として伝わるうわさで、TSMC自身が公式に削減を発表したものではありません。

TSMCは従来、留保利益のうち約13%を従業員賞与として還元してきたとされ、社員側はこの比率が利益の伸びに対して縮小していることに不満を示していると報じられています。Taiwanの職場コミュニティ「Dcard」やTSMC関連のFacebookページには、株主総会を前にした不満投稿が相次ぎ、社員世論が可視化されつつある状況です。

TSMC側はDigiTimesに対し、2026年の業績連動賞与は2025年よりも速いペースで伸びる見込みだと回答し、「Taiwanにおける企業の社会的責任の高まりを十分に認識している」とコメントしたとされています。ただし、15%削減のうわさそのものを明確に否定したとは報じられておらず、社員側の不満と会社側の説明には依然として開きがあるかたちです。

過去最高益の裏側——年間最大$56 billionの設備投資と12新工場

うわさされる賞与削減と裏腹に、TSMCの業績は記録的な水準にあります。第1四半期の純利益はNT$572.5 billion(約$17.9 billion、約2兆7,000億円)で、前年同期比58%増となりました。AI向けチップ需要の急拡大が主な押し上げ要因です。

それでも原資が圧迫されているとされる主な理由として、韓国・Taiwanメディアが引用するアナリストはTSMCの設備投資(CAPEX)プログラムを指摘しているとされています。

項目内容
年間設備投資額$52 billion〜$56 billion(約7.8兆〜8.4兆円)
同時建設中の新工場12拠点
建設地米国・日本・ドイツ・Taiwan
目的2nm/1.4nmの製造リード確保

韓国・Taiwanメディアが引用するアナリストの見方として、これらの巨額投資が従業員報酬に回せる現金を圧迫しているとされています。複数の要因が重なっているとされ、設備投資だけが原因と断定されているわけではない点には留意が必要です。

2025年の業績に基づく集計として、TSMCの平均賞与はNT$2.64 million(約$87,000、約1,350万円)、賞与プール総額はNT$206.1 billion(約9,900億円)に達したと、Taiwan Liberty Timesは伝えています。

比較対象になるSamsungの労組合意——平均$340,000の差

社員側の不満を高めている直接の比較対象が、先週に成立したSamsungの労組合意です。Samsungは18日間に及ぶ工場停止を回避するため、半導体部門の営業利益の10.5%を株式報酬として、さらに1.5%を現金として、10年間にわたり配分することで合意したとされています。

この合意により、2026年のSamsung半導体部門の平均賞与は約$340,000(約5,100万円)に達する見込みだと、最近の営業利益予想を基に算出されています。SK hynixも前年9月に同様の枠組みで、営業利益の10%を従業員賞与の原資とすることに合意したと伝えられています。

一方TSMCは1987年の創業以来、労働組合を持たず、団体交渉のための公式な仕組みも存在していません。社員側からは「労組結成はTaiwan法に抵触しないのか」という議論や、「会社は株主還元と海外拠点拡張を従業員より優先している」との不満が報じられています。

シリコンウェハー大手 GlobalWafersのDoris Hsu会長は、より広い文脈で「9カ国18工場の中に労組がある工場とない工場の双方がある」と述べたうえで、業績を左右するのは労組の有無ではなく利益を従業員と分かち合うかどうかだとの見方を示したとされています。

ただし、Samsungの合意自体も無風ではありません。営業利益の固定比率を10年間も従業員報酬に振り向ける枠組みは、半導体製造に必要な巨額の資本需要と衝突するとして、株主訴訟が提起されているとも報じられています。労働分配と設備投資の綱引きは、業界共通の論点になりつつあります。

5月28日の株主総会を前に高まる緊張——続報待ちが妥当

5月28日に新竹本社で開かれるTSMCの株主総会は、これら不満の表出にとって重要な節目になる可能性があります。社員側は総会のタイミングに合わせて声を上げているとされ、会社側の追加コメントや、賞与方針に関する正式な説明があるかが焦点です。

現時点で公開情報の範囲で言えるのは、以下の点です。

  • 賞与15%削減は会社が公式に発表したものではなく、DigiTimes報道として伝わるうわさ段階の情報である
  • TSMC社員に労組はなく、団体交渉の公式な仕組みは存在していない
  • TSMCは2026年の賞与が2025年より速いペースで伸びる見込みだとコメントしたとされている
  • Samsung・SK hynixの労組合意が、社員側の比較対象として強く意識されている

うわさされる削減幅・対象範囲・実施時期はいずれも非公式の情報源からのリーク情報として伝えられている段階であり、最終的な賞与水準は変わる可能性があります。現時点では「リーク段階の社内動向と、Samsung・SK hynixで進む労使新合意の流れの両方を見比べて判断する」のが妥当です。5月28日の株主総会と、その後のTSMC側の正式コメントを待つ価値のあるトピックといえます。

株主還元と海外資本注入も並走——配当・CAPEX承認の最新数値

賞与をめぐる議論の一方で、株主還元と海外拠点への資本配分は着実に上積みされています。5月12日の取締役会では2026年第1四半期について1株あたりNT$7.0の現金配当が承認され、記録日を9月22日、支払日を10月8日と定めました。これに先立ち、2025年第4四半期分としてもNT$6.0/株の現金配当が承認され、6月17日が記録日、7月9日が支払日に設定されています。

設備・海外拠点への投下も同じ取締役会で拡大しています。

  • 5/12取締役会で約US$31.28 billionの資本支出を承認
  • 同じくTSMC Arizonaへ最大US$20 billionの資本注入を承認
  • 為替ヘッジコスト削減を目的に、全額子会社TSMC Global Ltdへ最大US$30 billionの資本注入を承認

株主向けの配当決議と海外子会社への巨額注入が立て続けに決議されている事実は、社員が指摘する「株主・海外拠点優先」の構図を裏付ける材料として読み解かれる可能性があります。

2025年賞与プールの正式内訳と6月4日AGMの議題

賞与原資そのものについては、取締役会レベルでは既に枠が確定しています。2025年分の従業員業績賞与と利益分配賞与は合計約NT$206,145.92 millionで承認されており、その内訳は四半期ごとに分配される業績賞与NT$103,072.96 millionと、2026年7月に分配予定の利益分配NT$103,072.96 millionで構成されています。15%削減のうわさが向けられているのは、この既決の2025年分ではなく、その先の業績連動部分の比率設計だと整理できます。

項目金額・日程
2025年賞与プール総額約NT$206,145.92 million
業績賞与(四半期ごと分配)NT$103,072.96 million
利益分配賞与(2026年7月分配)NT$103,072.96 million
2026年AGM開催6月4日 9:00 Sheraton Hsinchu Hotel

なお2026年AGMは6月4日午前9時、新竹県竹北市のSheraton Hsinchu Hotelで開催されることが承認されています。議題には2025年利益配分、取締役報酬、従業員利益分配賞与の報告、定款改訂の決議などが含まれます。

Q&A

Q. 5月28日の株主総会では何が決まる可能性がありますか? 公式議題として賞与方針が正式に取り上げられるかは現時点では明らかにされていません。ただ、社員側は総会のタイミングに合わせて不満を可視化しているとされ、TSMC側の追加コメントや賞与方針への正式な説明が出るかが当面の焦点になります。

Q. もし労組が結成された場合、生産への影響はあるのですか? TSMCは1987年の創業以来、労組を持たず団体交渉の公式な仕組みも存在していません。今回はあくまで結成を「検討している」段階の議論として報じられており、生産影響に関する具体的な見通しは公表されていません。比較対象として、Samsungでは労使合意により18日間の工場停止が回避されたと伝えられています。

Q. Samsung・SK hynixの労組合意とは何が違うのですか? Samsungは半導体部門営業利益の10.5%を株式報酬、1.5%を現金で10年間配分する合意を成立させ、2026年の平均賞与は約$340,000(約5,100万円)に達する見込みです。SK hynixも営業利益の10%を原資とする合意を結んでいます。一方でTSMCは労組を持たず団体交渉の公式な仕組みもないため、社員側が比較対象として強く意識する構図となっています。

出典

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GadgetDrop 編集部

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